昼前の11時頃 まだ午前中とはいえ、 陽射しは心地よく、 駅のホームにはまばらに人がいるだけだった。 仕事や買い物に向かう人々の中で、 ふと目に留まったのは豹柄のワンピースを着たお姉さんだった。 髪は整えられ、 軽くメイクを施したその横顔は綺麗でどこか上品さを感じさせる。 少し風が吹き、 彼女の髪がふわりと揺れる。 瞬間、柔らかい甘い香りが鼻をかすめた。 香水ではない、 シャンプーの香りだろうか。 そのさりげない香りに、 俺の心は不意を突かれる。 電車がホームに滑り込むと、 彼女はゆっくりと乗り込んだ。 俺も自然にその後を追う。 俺は彼女のそばに立ち、 少しだけ距離を詰める。 電車が発車し、 ゆっくりと揺れ始めた。 […]