今日も待機室には見慣れた面々が並んでいる。 あの人の仕事を手伝うようになり どん底の生活からは徐々に抜け出しつつあるものの 私にとって、やはりここでの稼ぎが命綱であることには変わりない。 一度は足を洗おうと就職したこともあったが ブラック会社で精神を壊し、結局はこの世界に出戻った。 どちらも底辺であることには変わりない。 それでも、ブラック労働で心身滅ばされた上に、ろくな賃金も得られずに貧困苦にあえぐくらいならば たとえ身を売ってでも働けば働くだけ収入に還元されるこの世界の方がまだましだと思えた。 とは言え、老いぼれの私にはせいぜいその日暮しができるほどの売上が精一杯。 さらに追い打ちをかけるようにコロナ禍と元来の閑散期でもある。 この部屋に長居をすることにも、もうすっかり慣れてしまった。 入るとも分からない客を待つ間 私は昨夜受け取ったばかりのあの動画のことを思い返していた。 脛男の手口はやはり毎回ほとんど一緒。 今回のターゲットも一見どこにでもいそうな普通の女の子ではあるが どうやらパパ活は初めてではないらしい。 1日バイトしてやっと得られる金額が、たった数時間男の相手をするだけで手に入るのだから 味を占めるのも当然かもしれない。 こんな手段で女の子を買おうとする男など、どうせ自意識過剰な人格破綻者。 風俗客よりよっぽど悪質で非常識な奴らに違いないのだが…。 世間知らずのお嬢さんにはさすがにそこまでの考えは及ばないのだろう。 […]